ウォータージェット工事を初めて検討するとき、意外と分からないのが「どの段階で声をかければよいのか」という点です。劣化しているのは分かっている、図面もある。けれど工法が固まっていないうちに問い合わせるのは気が引ける、というお声をよくいただきます。
結論から申し上げると、決まっていない段階からで構いません。むしろ条件が固まりきる前のほうが、お伝えできることは多くなります。この記事では、ご相談から着工までの流れと、各段階で決めていただくこと・私たちからご提案することをお伝えします。
相談から着工までの流れ

現場によって前後しますが、おおよそ次のように進みます。
① 問い合わせ・ご相談
「こういう構造物の、こういう状態をどうにかしたい」という内容をお聞かせください。工法が決まっている必要はありません。他社で断られた案件や、「どんな工法が最適か分からない」というご相談もお受けしています。
② 現場条件のヒアリング
対象物の材質と劣化の状態、おおよその面積、除去したい範囲、周辺の環境、着手したい時期などをうかがいます。あると早い情報は相談前に整理しておきたい現地条件にまとめましたが、すべてそろっている必要はありません。足りない部分はこちらから質問します。
③ 現地確認(必要に応じて)
図面と写真だけで判断がつかないとき、給水・排水や搬入路、足場の状況を見ておきたいときは、現地を拝見します。必要かどうかも含めてご相談ください。
④ 工法のご提案とお見積もり
うかがった条件をもとに、どの方法で、どこまで、どう進めるかをご提案します。金額が何で動くのかは工事の費用、各社を比べるときの見方は見積書の見方に書きました。
⑤ 条件のすり合わせ
除去する深さ、仕上がりの目安、養生や飛散対策の範囲、排水の扱い、作業できる時間帯。ここを詰めておくほど、着工後の「思っていたのと違う」が減ります。とくにどこまで削るかは、仕上がると表面からは分かりません。
⑥ 日程の調整
他工種の予定、交通規制、施設の稼働状況と合わせて日程を組みます。日数が何で動くのかは工期の考え方にまとめました。サンテックは従業員14名を5グループに分け、協力会社とも連携して全国の現場に入っています。早めにご相談いただけるほど、調整の幅は広がります。
⑦ 施工
超高圧の水を扱いますので、安全管理と近隣への配慮は工程と同じだけ重要です。騒音・振動・粉じんや排水・濁水の処理は、着工前にお約束した範囲で対策します。
⑧ 完了確認
出来ばえをご確認いただいたうえで、断面修復などの次工程へ引き渡します。ご希望があれば施工中の立ち会いもお受けしています。
決めていただくこと、ご提案すること
同じ流れを「誰が何を決めるのか」で整理すると、次のようになります。
発注者側に決めていただくこと
- 目的(何を、どういう状態にしたいのか)
- 予算と時期の枠
- 譲れない条件(止められない設備、触ってはいけない範囲、近隣への配慮)
- 提案を受けたうえでの、発注の可否
サンテックからご提案すること
- そもそもウォータージェットが適する現場かどうか
- 適する場合の圧力・水量・ノズル・段取りの考え方
- 削る深さをどう決め、どこで止めるか
- 費用と日数が、どの条件で動くのか
- 安全管理・水処理・近隣対策の進め方
正直なところ、この段階で私たちがいちばん知りたいのは、面積よりも「何にお困りか」です。目的が分かれば、深さも段取りもそこから逆算が可能です。
「まだ工法が決まっていない」段階こそ
工法が決まってから声をかけたほうが丁寧だ、と考えてくださる方は多いのですが、実際には逆のことが起こります。工法と数量が先に固まってしまうと、「もっと合うやり方があります」とお伝えしても、もう組み替えられないという状況になりがちです。
ウォータージェットは水を200MPa以上に昇圧して噴射する工法です。打撃で壊さないためピックはつり工法より母材や鉄筋を傷めにくい一方、水を使う以上は給水と排水の条件がつきまといますし、騒音がゼロになるわけでもありません。向いている現場と、そうでない現場があります。
サンテックは1993年(平成5年)の設立からこの工法だけを手がけ、橋梁・ダム・プラント・下水道・道路・滑走路・船舶・鉄道車両など幅広い分野で、年平均92物件・累計1,500件以上の現場を重ねてきました。(関連:施工事例一覧/資格と体制/業者の選び方)
別の工法をおすすめすることもあります
この記事でいちばんお伝えしておきたい点です。条件をうかがったうえで、「この現場なら別の工法のほうがよさそうです」とお伝えすることがあります。
必要な水を確保しづらい現場、排水を出すのが難しい現場、求められる仕上がりに対して遠回りになる現場。無理に当社の工法へ寄せてお受けすれば、工期も費用も膨らみ、結局は発注者の方が困ることになります。
残念なのは、一度うまくいかなかった経験から「ウォータージェットという工法自体がだめだ」と結論づけられてしまうことです。だからこそ、向かないものはその段階でお伝えします。
なお、他社で断られた難易度の高い案件も受けています。ハンドガンを人の手で扱う施工を得意とし、約60cm角・高さ約2mの塔の内部という極めて狭い現場での実績もあります。当社で対応が難しい場合と、他社で断られたから難しい場合は、別の話です。
お問い合わせの窓口について
工事のご検討・ご相談を対象とした窓口ですので、営業のお電話はお断りしております。対象物と場所・おおよその面積・着手したい時期が分かると、その場でお話しできる範囲が広がります。
まとめ
ウォータージェット工事は、①ご相談 → ②条件のヒアリング → ③現地確認(必要に応じて)→ ④提案と見積 → ⑤条件のすり合わせ → ⑥日程調整 → ⑦施工 → ⑧完了確認、という流れで進みます。
決めていただくのは、目的・予算と時期・譲れない条件・発注の可否です。工法が適するか、どこまで削るか、費用と日数が何で動くかは、私たちがご提案します。工法が決まっていない段階からで構いません。
そして条件によっては、別の工法をおすすめすることもあります。それも含めて率直にお伝えするのが、専業として長く続けてきた会社の役割だと考えています。
ご相談ください 「この現場でウォータージェットが使えるだろうか」「どんな工法が合うのか分からない」という段階からで構いません。対象物の状態と現場の条件をうかがったうえで、当社で対応できるかどうかも含めて率直にお答えします。他社でお見積もりをお持ちの場合、比較の1社としてお声がけいただくだけでも結構です。