ウォータージェット工事を初めて発注するとき、多くの方が「どこに頼んでも同じだろう」と考えます。水を高圧で吹き付ける技術ですから、装置さえあれば結果は変わらないように見えるためです。
しかし実際には、同じ面積・同じ仕様の工事でも、仕上がりや工期に差が出ることがあります。この記事では、なぜ差が生まれるのか、そして発注者としてどこを見ておけばよいのかを、施工する側の立場から正直にお伝えします。
装置は増えました。技術は別で育ちます
ここ数年、ウォータージェットの装置を導入する会社は増えています。装置の価格が下がり、以前より手に入れやすくなったためです。これ自体は業界にとって良いことです。
一方で、装置を買ったその日から思いどおりに削れるわけではありません。ウォータージェット工法は、水を200MPa以上に昇圧してノズルから噴射する技術ですが、現場で決めることが多い工法です。
- どの圧力・どの水量にするか
- どのノズルを選ぶか
- どの速さで、どの角度で当てるか
- どこで止めるか(どこまで削るか)
これらは対象物の状態を見ながら、施工者が判断します。判断を支えるのは、装置のスペックではなく、同じような現場を何度も経験してきた蓄積です。
サンテックは、この工法だけを手がける専業会社として1993年(平成5年)に設立しました。日本ウォータージェット施工協会の設立にも参画しており、国内でも数少ない専業施工会社のひとつです。それ以前をさかのぼれば、国会議事堂の洗浄や阪神・淡路大震災の復旧工事にも携わってきました。装置ではなく、この判断の蓄積のほうを財産だと考えています。
差が出るのは「速さ」と「深さ」
経験の差は、主に2つの形であらわれます。
1. 速さ ― 同じ面積でも日数が変わる
ウォータージェットは、圧力と水量とノズルの組み合わせ、そして動かし方で施工速度が変わります。条件の詰め方が甘いと、必要以上に時間がかかります。
私たちが発注者の方から伺う話の中には、「同じような工事なのに、想定していた日数の倍近くかかった」というものもあります。工期が延びれば、足場や交通規制、他工種との調整にも影響します。金額だけでなく、日数まで含めて見ておくことが大切です。
2. 深さ ― 削りすぎ・削り足りない
コンクリートの補修では、劣化した部分を取り除き、健全な部分を残すことが目的です。ところが実際には、削りすぎて健全な躯体まで傷めてしまうことも、削り足りずに劣化部が残ってしまうこともあります。
とくに中性化が進んだコンクリートでは、「どの深さまで取れば健全な層に届くのか」を現場ごとに見極める必要があります。この見極めを持っているかどうかが、補修の品質を左右します。(関連:コンクリートの除去・はつり)
手で扱うからこそ、入れる現場があります

サンテックは、ハンドガンを人の手で扱う施工を得意としています。機械任せにせず人が持つため、ロボットや自動装置では入れない狭所や複雑な形状にも対応が可能です。過去には、約60cm角・高さ約2mの塔の内部という極めて狭い現場での施工実績もあります。
手で扱うということは、その場で圧力・角度・速さを調整し続けるということです。だからこそ判断の蓄積が効いてきますし、逆に言えば、同じ装置を使っても人によって結果が変わる理由もここにあります。
では、発注者は何を見ればよいのか
ここで正直に申し上げます。図面や見積書を眺めるだけで技術力を見分けるのは、簡単ではありません。 仕様書に書かれる内容は各社そう変わらないからです。私たち自身、「発注者側から見て一目でわかる基準」を提示できるとは思っていません。
そのうえで、聞いてみる価値があると考えている点を挙げます。参考までに、サンテックであればどう答えるかも添えます。
施工実績の年数と件数 ウォータージェットは経験がそのまま判断力になる工法です。「いつから施工しているか」は率直に聞いてよい質問です。 > サンテックの場合:1993年の設立から専業一筋。年平均92物件、累計1,500件以上です。
似た条件の現場を手がけているか 橋梁、プラント、下水道、建築外壁では、求められる技術も段取りも異なります。件数の総数より、自分の現場と条件が近い実績があるかのほうが参考になります。 > サンテックの場合:橋梁・ダム・プラント・発電所・下水道・道路・滑走路・船舶・鉄道車両・工場・新築是正・意匠仕上げなど幅広い分野に対応しています。(関連:施工事例一覧)
削る深さをどう決めるか 「どこまで削るか、どうやって判断されますか」と聞いてみてください。現場の状態を見てから決めると答えるか、一律で決めていると答えるか。答え方そのものが判断材料になります。
できないことを言ってくれるか どんな工法にも向き不向きがあります。ウォータージェットも万能ではありません。騒音や振動、粉じんがゼロになるわけでもありません。条件を聞いたうえで「この現場なら別の工法のほうがよい」と言える会社は、無理な受注をしない会社でもあります。
「ウォータージェットは期待外れだった」で終わらせないために
私たちがいちばん残念に思うのは、一度うまくいかなかった経験から「ウォータージェットという工法自体がだめだ」と結論づけられてしまうことです。
工法に原因があったのか、条件の詰め方に原因があったのかは、別の話です。もし過去に、
- 思っていたより工期がかかった
- 仕上がりが期待と違った
- 見積金額が想定を大きく超えた
といった経験がおありでしたら、そのときの条件を教えていただければ、何が起きていたのかを一緒に整理することが可能です。他社で断られた案件のご相談も、日常的にお受けしています。
まとめ
ウォータージェットは、装置を持っていることと、狙ったとおりに削れることが同じではない工法です。差が出るのは主に「速さ」と「深さ」で、どちらも現場ごとの判断に支えられています。
発注者側から技術力を見抜くのは簡単ではありませんが、実績の年数・似た条件の経験・削る深さの決め方・できないことを言うかどうかは、聞いてみる価値のある観点です。サンテックは、その問いに具体的な数字と分野でお答えできる会社でありたいと考えています。
ご相談ください 「この現場でウォータージェットが使えるだろうか」という段階からで構いません。すでに他社でお見積もりをお持ちでしたら、比較の1社としてお声がけいただくだけでも結構です。条件をうかがったうえで、当社で対応できるかどうかも含めて率直にお答えします。