「3社から見積もりをもらったのですが、金額がかなり違っていて、どう比べればよいかわかりません」。ウォータージェット工事のご相談では、こうしたお話をうかがうことがあります。
金額に差があると、まず「どこが高くて、どこが安いのか」に目が行きます。ただ、各社に伝えている条件がそろっていないと、そもそも同じものを比べていないことになります。この記事では、相見積もりを同じ土俵に乗せるために、各社へそろえて伝えたい条件と、見積書で見ておくとよい点をお伝えします。どこかの会社が高い・安いという話ではなく、前提をそろえる方法の話です。
金額の差は、多くの場合「範囲の差」です
ウォータージェット工事の見積もりには、削る作業そのもの以外の要素も乗ってきます。仮設と養生、給水の段取り、濁水の処理、産業廃棄物の搬出と処分――こうしたものがどこまで含まれるかで、金額は動きます。(関連:費用はどう決まるか)
条件が示されていないと、各社はそれぞれの想定で範囲を置いて積算します。すると、安く見えるほうは「排水の処理は別途」「足場は元請け支給」という前提で組まれていて、高く見えるほうは読みきれない部分まで見込んでいる、ということが起こります。
どちらの見積もりも、それ自体は誠実な数字です。前提が違うだけです。 比べられる形にするには、発注者側から前提をそろえて渡すのが早道になります。
各社にそろえて伝えたい条件
次の内容を、同じ文面で各社へお渡しください。全部が決まっていなくても構いません。「決まっていない」ということ自体を伝えておくだけでも、前提はそろいます。
- 対象物と劣化の状態……コンクリートか鋼構造物か、劣化がどの程度進んでいるか。写真や過去の調査結果があれば添えてください
- 数量と面積……概算で構いません。平らな面か、狭所や入り組んだ形状かも伝わると精度が上がります
- どこまで削るかの考え方……深さを一律で指定するのか、健全な層に届いた時点で止めるのか。ここが示されていないと、各社の想定が最もばらつきます(関連:除去する深さの決め方)
- 仕上がりの要求……このあと何をするのか(打設、塗装、防水など)。必要な粗さや清浄度の前提が定まります
- 足場・仮設の負担区分……こちらで用意するのか、施工会社に含めてもらうのか
- 給水と排水の負担区分……現場で水が取れるのか、タンクで運ぶのか。濁水の受け皿と処理はどちらが用意するのか(関連:排水・濁水の処理)
- 産廃処分の負担区分……発生した廃棄物の搬出と処分を、どちらの費用で見るのか
- 作業できる時間帯……日中のみ、夜間のみ、施設の停止期間中など。騒音や飛散はゼロにはなりませんので、時間帯の制約は段取りと日数に直結します
- 希望工期……いつまでに終えたいのか、前後にどの工種が控えているのか(関連:工期はどう決まるか)
現地の条件を整理するときは、こちらもあわせてご覧ください。(関連:現場条件チェックリスト)
見積書は、金額欄より「前提の欄」を見る
見積書が出てきたら、合計金額の前に次の4点を確認してみてください。
1. 何が含まれ、何が別途か 明細に並んでいる項目より、書かれていない項目のほうが差になります。上に挙げた負担区分が反映されているかを見比べてください。
2. 仮設・養生・処分の扱い 仮設と養生は現場の条件で手間が変わり、処分費は数量の想定で動きます。含む・別途・数量精算のどれなのかが読み取れると、比較しやすくなります。
3. 工期の前提 面積だけで割った日数か、対象物の状態と作業できる時間帯を織り込んだ日数かで、意味が変わります。
4. 追加が発生する条件 「開けてみて劣化が想定より広かったとき」にどう扱うのか。ここを先に書いてある見積もりは、あとで揉めにくい見積もりです。
安い見積もりが悪い、という意味ではありません
ここは正直に申し上げます。金額が低いことは、それ自体が問題ではありません。 前提がそろったうえで安いのであれば、体制や段取りの差からくる価格競争力です。私たちも、そこで選ばれなかったことは何度もあります。
困るのは、前提が違うまま金額だけが比べられて、着工後に「これは別途です」というやり取りが始まることです。施工会社の誠実さの問題というより、条件が共有されていなかったことの結果です。
金額に開きがあったときは、「同じ条件で出し直してもらえますか」と各社に伝えてみてください。それで並び方が変わるなら、差の正体は範囲だったということになります。
サンテックを、比較の1社に入れてください
サンテックは、超高圧ウォータージェット工法だけを手がける専業会社です。1993年(平成5年)に福岡県北九州市で設立し、日本ウォータージェット施工協会の設立にも参画しました。国内でも数少ない専業施工会社のひとつです。
施工実績は年平均92物件、累計1,500件以上。橋梁・ダム・プラント・発電所・下水道・道路・滑走路・船舶・鉄道車両・工場・新築是正・意匠仕上げまで幅広い分野に対応し、九州・沖縄全域を中心に全国へうかがっています。従業員14名を5グループに編成し、協力会社と合わせて班を組みます。他社で難しいと言われた案件のご相談も、日常的にお受けしています。(関連:施工事例一覧)
見積もりをお出しするときは、何を前提に置いたのかを添えてお渡しします。含まれるもの、別途になるもの、日数の前提、追加が発生し得る条件――そこまで含めて比べていただくのが、いちばんフェアだと考えているからです。(関連:相談から着工までの流れ)
まとめ
相見積もりは、金額を並べた時点では比較になっていないことがあります。各社が置いた前提が違えば、数字の意味も違うからです。
そろえて伝えたいのは、対象物と劣化の状態/数量と面積/どこまで削るかの考え方/仕上がりの要求/足場・仮設と給水・排水と産廃処分の負担区分/作業できる時間帯/希望工期。見積書では、何が含まれ何が別途か・仮設と養生と処分の扱い・工期の前提・追加が発生する条件を確認します。
安い見積もりが悪いわけではありません。前提が違うだけのことが多いのです。条件をそろえれば、どこが本当に強いのかが見えてきます。誰に頼むかの見極めについては、こちらもあわせてご覧ください。(関連:業者の選び方)
ご相談ください 「この条件で、どこまでが見積もりに入るのか」という段階からで構いません。すでに他社のお見積もりをお持ちでしたら、比較の1社としてお声がけいただくだけでも結構です。同じ条件でお出ししたうえで、当社で対応できるかどうかも含めて率直にお答えします。