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発注ガイド

超高圧洗浄機はレンタルか、専門業者か ― 特別教育・作業体制・汚泥・給水の要件を、国の法令と通達で整理します

2026-09-26 / SANTEC COLUMN

この記事の要点

  1. 超高圧洗浄機を扱う作業は、労働安全衛生規則第36条の特別教育の業務に挙げられていません。 酸素欠乏危険場所・足場・フルハーネスを伴う現場では、それぞれの特別教育が必要です。
  2. 厚生労働省の通達が活用を求める安全衛生管理指針は、1台に最小3名の体制と、5時間以上の作業者教育を定めています。 レンタルで自社施工する場合も、人の側の準備が要ります。
  3. 削りかすを含んだ汚泥は産業廃棄物で、建設工事では元請業者が排出事業者です。 装置の運搬・給水・電源とあわせて、借りる前に段取りを決めます。

超高圧洗浄機とは、ポンプで昇圧した水をノズルから噴射し、付着物や劣化したコンクリートを除去する装置です。 洗浄や表面処理の工事では、装置をレンタルして自社の作業員で施工するか、専門業者に施工ごと頼むかを選ぶ場面があります。判断を分けるのは、装置の賃料よりも人・水・車両の段取りです。本記事では、労働安全衛生法令と厚生労働省の通達をもとに、自社施工で用意するものを項目ごとに整理しました。

圧力:安全衛生管理指針は、10MPa以上の高圧水を扱う作業を対象にしています

厚生労働省は平成23年5月23日の通達で、高圧洗浄作業の災害防止に次の指針とマニュアルを活用するよう求めています。

高圧洗浄作業において、高圧水の直撃による裂傷、出血性ショック等による死傷災害が後を絶たず、平成21年には3件の死亡災害が発生したところである。

(厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知「高圧洗浄作業における安全対策マニュアルについて」平成23年5月23日 基安安発0523第1号)

通達が示した「産業洗浄(高圧洗浄作業)安全衛生管理指針」の冒頭には、「10MPa 以上の高圧水を取り扱う」とあります。当社の超高圧水発生装置は、0〜240MPaの範囲で圧力を調整しています。10MPaを超える機種を借りるなら、指針が想定する作業にあたります。

危険が集中する場面と発注側で確認できる点は、別の記事にまとめました(関連:ウォータージェットの事故はなぜ起きるのか)。

特別教育:安衛則第36条で関係するのは、酸欠・足場・フルハーネスです

労働安全衛生法第59条第3項は、危険または有害な業務に就かせる労働者へ特別の教育を行うよう、事業者に義務づけています。対象の業務を列挙しているのは、労働安全衛生規則第36条です。高圧洗浄の作業そのものは、同条の業務に挙げられていません。

洗浄の現場に伴うことがある業務を、次に挙げます。

あわせて、同法第59条第1項・第2項は、雇い入れたときと作業内容を変更したときにも、その業務に関する安全衛生教育を求めています。特別教育とは別の義務にあたります。

作業者教育:指針は5時間以上の教育と、1年ごとの更新を定めています

安全衛生管理指針(公益社団法人日本洗浄技能開発協会、平成24年4月)は、作業に就く人の教育を3段階で定めています。

教育・資格 対象 内容
高圧洗浄作業者教育 作業に従事する人 5時間以上。原則として1年ごとに更新教育(3時間以上)
高圧洗浄作業監督者教育 産業洗浄(高圧洗浄作業)技能士 安全衛生に特化した教育5時間以上。有効期限5年
産業洗浄(高圧洗浄作業)技能士 技能検定の合格者 職業能力開発促進法に基づく国家検定。学科と実技

オペレーター・監視人・ノズルマンに就けるのは、「高圧洗浄作業者教育」の修了者か技能士です。作業監督者には、職長教育と監督者教育の修了を求めています。

圧力の加減やどこで止めるかの判断は、教育を終えたあとも現場で積み重ねていきます。当社の施工体制と資格者の人数は、誰が施工するのかに書きました。

人数:1台に最小3名、オペレーター・ノズルマン・監視人

指針は、作業グループの体制を次のように定めています。

作業グループ体制としては、最小限3名の作業者が従事しなければならない。

(産業洗浄(高圧洗浄作業)安全衛生管理指針 3-1)

ノズルマンは、疲労の度合いを見て適度な時間で交代します。噴射ガンのレバーを紐などでロックすることは「厳禁」です。装置が1台でも、教育を修了した3名を同じ日に現場へ出す必要があります。

排水と汚泥:建設工事では、元請業者が排出事業者です

超高圧洗浄で出るのは、削りかすや付着物が混ざった水です。廃棄物処理法第2条第4項は、事業活動に伴って生じた汚泥を産業廃棄物と定めています。

同法第21条の3では、数次の請負で行う建設工事の場合、注文者から直接請け負った元請業者が廃棄物の事業者です。装置を借りて自社で施工しても、専門業者へ下請けに出しても、汚泥の事業者は元請業者のまま変わりません。

違いが出るのは、回収と分離の段取りを誰が組むかです。自社施工では、養生・集水・沈殿・搬出を自社で計画します。専門業者に頼む場合は、見積もりに含まれる範囲を確かめてください。水の取り方と流し方は、ウォータージェットの排水処理で詳しく書いています。

運搬・給水・電源:装置は4t車、水は1時間に最大1,800L

当社の超高圧水発生装置は4t車に搭載し、エアーコンプレッサーは2tダブルキャブで持ち込みます。装置の出力は140kW、吐出量は最大30L/minです。1分に30Lを連続して使うと、1時間で最大1,800Lになります。

確かめる項目は3つあります。

  1. 運搬と据付:車両が進入でき、装置を据える場所があるか。装置から施工箇所までホースが届くか
  2. 給水:使える水道があり、使用の許可が取れるか。足りなければ給水車や仮設タンクを手配する
  3. 電源と燃料:借りる機種が外部電源を要するか、エンジンで動くか。どちらかで、現場に用意するものが変わる

厚生労働省の産業洗浄技能検定の試験範囲には、水道法・下水道法・道路交通法・騒音規制法・廃棄物処理法・水質汚濁防止法が並びます。内燃機関と電動機の構造も、試験範囲に入っています。装置の構成とガンの種類は、ウォータージェットの装置構成にまとめました。

レンタル機の安全管理は、借りた事業者が組みます

労働安全衛生法第33条には、機械を貸与する者が、借りた事業場での労働災害を防ぐ措置を講じる義務があります。対象の機械は同法施行令第10条にあり、移動式クレーン・フォークリフト・車両系建設機械・ショベルローダー・フォークローダー・不整地運搬車・高所作業車の7種が挙がっています。

超高圧洗浄機を借りた場合、ホースと接続部の点検、立入禁止の区画、保護具の着用は、作業員を使う事業者が組む安全管理の範囲です。

自社施工と専門業者で、用意するものの比較

項目 装置を借りて自社で施工 専門業者に頼む
作業者の教育 作業者教育の修了者・技能士を自社でそろえる 業者側の資格者が入る。資格と人数を確認する
体制 1台に最小3名を自社から出す 業者が編成する
特別教育(酸欠・足場・フルハーネス) 該当すれば自社で実施 業者側で実施。元請として確認する
装置の点検・安全管理 自社で組む 業者が組む
運搬・給水・電源 自社で手配 業者と分担を決める
汚泥の処理責任 元請業者 元請業者(回収の段取りは見積もりの範囲で確認)

教育を修了した作業員が社内に3名以上いて、同じ種類の作業を繰り返す会社なら、自社施工も選択肢に入ります。作業が年に数回で、教育と更新を続ける人を置けない場合は、専門業者に施工ごと頼むほうが段取りは少なく済むはずです。相談の前にそろえておくと話が早い情報は、相談前に確認しておきたい現場条件に挙げました。

まとめ

超高圧洗浄機を借りて自社で施工するときに用意するのは、装置よりも人・水・車両の段取りです。 指針は1台に最小3名と5時間以上の作業者教育を定め、酸欠・足場・フルハーネスを伴う現場では特別教育も必要になります。

汚泥は産業廃棄物で、建設工事では自社施工でも下請けでも元請業者が排出事業者です。装置の運搬・給水・電源まで見通せれば、自社施工か専門業者かを選ぶ材料がそろいます。

ご相談ください 対象物と面積、現場の写真をお見せいただければ、施工ごとお受けする場合の体制と段取りを率直にお答えします。 自社施工のほうが合う作業であれば、そのようにお伝えします。株式会社サンテックは創業から30年以上、超高圧ウォータージェット工法を専業としてきました。


本記事で参照した資料

いずれも原典を開いて確認したうえで記載しています。法令は改正されることがあります。工事の計画には、発注時点の最新の法令・通知で必ずご確認ください。

よくある質問

超高圧洗浄機を使う作業に、特別教育は必要ですか?
作業の内容によります。高圧洗浄の作業そのものは、労働安全衛生規則第36条の特別教育の業務に挙げられていません。酸素欠乏危険場所・足場・フルハーネスを伴う現場では、それぞれの特別教育が必要です。
超高圧洗浄機は何人で扱いますか?
最小3名です。安全衛生管理指針は、オペレーター・ノズルマン・監視人の3名を1作業グループとし、3名とも高圧洗浄作業者教育の修了者か産業洗浄(高圧洗浄作業)技能士であることを求めています。
作業者教育は何時間ですか?
5時間以上です。安全衛生管理指針の高圧洗浄作業者教育で、原則として1年ごとに3時間以上の更新教育も行います。作業監督者には、産業洗浄(高圧洗浄作業)技能士を対象とした5時間以上の監督者教育が定められています。
自社で施工したとき、汚泥の処理は誰の責任ですか?
建設工事では元請業者の責任です。廃棄物処理法は事業活動に伴う汚泥を産業廃棄物とし、第21条の3で、注文者から直接請け負った元請業者を事業者としています。自社で施工しても、専門業者に頼んでも変わりません。
超高圧洗浄には、どれくらいの水が要りますか?
当社の装置では、1時間に最大1,800Lです。超高圧水発生装置の吐出量が最大30L/minのためです。借りる機種の吐出量を確かめ、使える水道と使用の許可、足りない場合の給水車や仮設タンクを、借りる前に決めておきます。

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